ARIONとは何者か？　説明は難しくとも、著書のメッセージからはいくらか類推する事が出来ます。

■人間とは異なる生命体

　まず自らを物質的な身体を持たない生命体で、エネルギー体だとしています。
　現在の地球上で物質的身体を持たない生命体は存在しませんが、大昔から死んだ人の幽霊や、妖精妖怪、天使などと言った肉体を持たない人格は、どの国でも認識されてきました。ARIONも自称「神霊」なのですから、霊のような存在と似たものとして捉えて良いと思います。

　となると、物質的な追求方法を用いる現代科学では説明できません。しかし言葉として伝えられた事の中から一つ一つ解いてゆくこともできます。エネルギー体という言い方は科学的には説明できませんが、どう捉えたらよいかと僕なりに思案しました。

　エネルギーと言う言葉は、現在のような化石燃料や太陽電池などの話よりずっと前から提唱されていました。要するに何でも良いから現象の変化を引き起こす可能性(アビリティ)の大きさを「数値的に」表したものです。自然界の変化は常にエネルギーのやりとりで起きていて、エネルギーは決してどこかから湧いて出るものでもなければ、全体には増えたり減ったりするものでもありません。
　もしそのエネルギーに人格が宿れば、「エネルギー体」と言う「肉体を持たない」生命体という事が出来るかも知れませんが、今のところ科学は人間の意識について完全に解明できておらず、エネルギーに人格が備わると言う考え方はされていません。

　エネルギーというのは燃料みたいなものと違って物質的ではありません。最も普遍的に言えば光=電磁波がエネルギーの最も汎用的な形態でしょう。光の持つエネルギーはその光の振動数の高い低いで決まります。光の進む速さは一定なので、その間に振動する回数が多い方が、それだけエネルギーを持っていると言うわけです。そして光=電磁波は、目に見える光だけではなく、もっと振動数が低くなると赤外線となり、物質に当たると熱に変化することができます。もっと高い振動数では、紫外線や放射線などになって、物質に当たると化学変化を引き起こすことができます。

　光には質量は無いとされています。それでも変化を引き起こすことの出来る光=電磁波は、まさしく物質ではないエネルギーそのものです。もしかしたらARION自身が常に「光よりの光」と自己紹介するのはこうした電磁波的な生体組織を持っているのかもしれません。
　人間の脳組織は神経の繋がりによって個人差が出ます。しかし意識を失うと脳組織がほどける、と言うわけではありません。脳組織が有っても意識は無いという状態が存在します。1940年代のSF作家エドモンド・ハミルトンは、意識とは脳組織に宿っている電気信号網そのものだと解釈し、その電気網を他人の脳に載せ替える事で人格を移動する装置を登場させました。星野之宣氏の著作には、とある惑星が雷などの電気反応で意識を具現化させるガイア仮説に似た話が出てきます。
　現実と空想との狭間で、しかし確かに、光＝電磁波、といった電気的変化が意識を構成する可能性があると言えます。

■出自について

　ARIONの大もとの出自は「シリウスA」だと言います。
　シリウスと言うのは太陽系に5番目に近い星系で約8.6光年先。太陽系外では最も明るく見える星です。その為か大昔から特別視されてきました。シリウスの名の由来は「焼き焦がすもの」「光り輝くもの」(ギリシア語)です。中国では天狼、和名は青星だそうです。光り輝くと言うあたりがARIONに合致しています。

　シリウスは星座で言えばおおいぬ座の一番明るい星で、実は一つの星ではなく、明るい太陽の側に小さな太陽が回る連星であることが1844年に予見され、1862年に観測で確認されました。それで明るい方をシリウスA、小さい方をシリウスBと呼びます。ARIONの出自はその大きな方、黙示できる明るい星の事です。

　シリウスAは言わばシリウス星系の「太陽」なのですが、我々が見上げるようなああした太陽を「出自」とすると言うのはどういう事でしょうか？　シリウス星系の居住可能などこかの惑星に生まれたと言うのではありません。はっきり「シリウスA」と言っているのですから、輝く恒星本体から生まれた事になります。
　一般には太陽(恒星)に生命は生存できないと信じられています。しかしそれは肉体があるからで、肉体のない電磁波的存在であれば焼き焦がされる事はありません。しかし電磁波的に見ても恒星の表面というのは強いエネルギーが複雑に絡まり合っているようですから、意識体が保たれるのなら奇跡的な話でもあります。

■オリオン座に移った

　ARIONは150万年ほど前からオリオン星雲のエネルギーを司っていると言います。オリオン星雲と言えば普通はオリオンM42を意味します。そしてオリオン座で最も明るい恒星ベデルギウスを母胎とすると言うのですが、シリウスAが出自なら母胎というのはそこが生まれた所という意味では無いでしょう。150万年前からオリオン星雲を司る位置についた時、ARIONがそのエネルギー体の軸足を置いたのがベテルギウスという意味ではないかと思われます。ベテルギウスは太陽系で言えば太陽から木星軌道くらいまでの巨大な大きさを持つ老齢の赤色超巨星です。その作り出すエネルギーを母胎としている、と言うのでしょう。
　ではM42星雲は何か？　そこは新しい若い恒星が生まれつつある事が観測されています。ARIONは老いた星のエネルギーを元にして、新しい可能性を作り出す星雲の場を司っているのでしょう。
　ちなみにベテルギウスはオリオン座を代表するα星で、シリウスAと、それからこいぬ座α星プロキオンとともに「冬の大三角」という星座を作ります。地上の我々から見てもシリウスとオリオン座は目立つ関係にあります。

■本当にシリウスか？

　現代の天文学者は、シリウスAが20〜30万年前に光を出し始めたと考えているようです。しかしそうすると年代が合いません。ARIONはシリウスAから出て150万年前からオリオン座に移ったのです。これは妙です。

　オリオン座というのは多くの人が三つ星で親しんでいるわかりやすい星座ですが、ここで殆どの人が余り意識していないだろう事があります。それは、オリオン座を形作る星々が、地球からどれも同じ距離にあるわけではない、と言うことです。
　例えばベテルギウスは640光年先にありますが、オリオン座の三つ星は800〜1300光年先にあります。オリオン座で2番目に明るいリゲルは800光年先です。このように、「オリオン座に移った」と書くとある空域に移ったように勘違いし易いのですが、実際には「オリオン座の方向に移った」と考えるべきでしょう。

　M42のオリオン星雲は地球から1600光年ほど先にあります。ですからベテルギウスからは相当遠くなります。この星雲は、実は約200万年前に超新星爆発を起こした恒星の残骸で、遠近300光年ほど広がって今もガスが爆散し続けています。その天文学的背景は別に譲るとして、ARIONが移ったのは爆発を起こしてからしばらくたった150万年前という事です。それも640光年先のベテルギウスを軸足にして、1600光年彼方の爆発中心部に生まれつつある若い恒星を見守っている、とすれば辻褄はあいます。ARIONというのは巨大な空域を凌駕する存在であることがわかります。

　しかし一方で、シリウスAはたかだか20〜30万年前に輝きだしたと言うのですから、シリウスAで生まれた意識となると話が合いません。

　僕はこの「シリウスAを出自として」というのは誤伝か、あるいはシリウスAではなくもっと古い星(例えばシリウスBは既に輝きを失った老齢の白色矮星だ)ではないかと思います。勿論天文学がまだ見つけていない理由によってシリウスAはもっと古いのかも知れませんが、相応の根拠をもって計られている年代であることには違いありません。
　ではシリウスはオリオンとどういう関係なのか？　これについては別に書きたいと思います。実は聖書の中でも旧約聖書と新約聖書では神となる存在の大元が異なるのではないか、と言う説があり、旧約聖書はシリウス系、新約聖書はオリオン系と見る向きがあります。そうした説も交え、人類の釈明期に何が起きていたかを考えに入れないと、このシリウスの関連性は予断を許さないからです。

■天使ということ

　ARIONは自身を神様ではない、天使であるとよく断っていました。神と同一視してはオカシイというのです。そのことは「I LOVE YOU 1」(1991年初版 扶桑社)にチャネラー北川さんの解説としてp10から書かれています。

　「宇宙神霊」と自称しますが、僕の記憶では90年代後半あたりから「うちゅうしんれい」ではなく「うつのかむひ」とも読んだようで、日本の古語のような読み方です。
　神霊に宇宙とか何とかの種類別があるのかどうかはわかりません。しかしわざわざ宇宙とつけているところをみると、地球という惑星に住む我々などの生命体だけではなく、もっと広く宇宙全体を見渡した存在である、と言う事は汲めます。

　ARIONの説明では、大天使ミカエルというのもARION同様に地球での暫定的な名前であり、ARIONのようにく宇宙に存在するエネルギー体のひとつとのことです。
　ARIONを知る人はARIONとミカエルと混同しているかも知れませんが、ここで解る事は、ARIONとミカエルは別であるという事です。ARIONはミカエルの一部でもなければ同一でもなく別ものという事です。ただ、そのミカエルの力の顕現の一つであるというので、ARIONはミカエルが力を使って存在たらしめた天使という事は言えるでしょう。

　そうなると、ガイア仮説に言われるような星全体の意識というものは、少し考え浅かったかも知れません。我々の太陽系の太陽は、観測機の報告に依れば、地磁気のようなものが色々な場所から発生していて、絡み合ったり途中で繋がったりしている、という事がわかってきました。地球のように地磁気が１つではないのです。磁気と電気はどちらかが変化すれば他方も変化するというとても近い関係です。もし地磁気単位で意識が存在するならば、太陽には沢山のガイア意識があると言えるかも知れません。ARIONもミカエルもそうした沢山の磁場のひとつから生まれた意識体という事も想像できます。

■ARIONという名前

　カタカナではアーリオーンと長音をつけて書かれ、それが正式な名称なのだそうですが、日常的には短くアリオンと呼んでいたりもしました。英文字ではARIONになりますが、これは元々Angel of Regional Intermediate Organization Nationalの頭文字を綴ったもので、日本語にすると「国家機構相互媒介域の天使」です。
　ここで言う国家は地球上に成立している多数の国家を示すと言うよりは、星々の様々な住人らをそれぞれの国家と見た方が宇宙神霊たるものという気がします。また、我々人間一人一人を国家とすれば、ARIONはその我々の間を取り巻き結びつけている天使という事にもなる、と友人の意見もあります。

■振動する意識

　一方でARION12と自ら署名をする時もあります。12の意味は、実は12人の天使が囲んだ中央に現れるのがARIONだという事らしいのですが、この12人というのも実はもっと少ない天使が兼任していると言った話も聞きます。この辺りについて僕にはあまり情報が無いのですが、物質的な身体を持たない生命体として予測できることが一つあります。
　先に、光=電磁波という話を書いたところで、振動数という言葉を使いました。自然界にはおよそ振動するものばかりで、振動が無ければ世界は全く変化のない静穏なものになっていたでしょう。振動が伝わる時には波動と言います。要するに海の波のように、振動しながら伝わるものは全て波動と言えます。（注：ニューエイジ本等で媒質の不明な何か意識場のような、あるいは輻射のように広がるような曖昧なものを指して波動と呼ぶのは、僕としてはよくわからんもの、と思っていて、波動という単語で示されるのは振動が伝わるという厳然とした事実それだけだと思っている。）
　波動の性質として最も単純なのが、足し算ができるという事です。つまり振動数の違った2種類の波動が同じ場所を伝わっても、どちらも混合されながらそれぞれに伝わると言う事なのです。これは丁度、ラジオの電波が周波数（つまり振動数）を異にしていれば同じ空を伝わった先でチャンネル別に分けて受信できる、という事で良く解ると思います。CDに音が記録される原理もこれをデジタル計算でやっているからで、別々の波動が同じ場所にやってくると単純に足し算の効果で同じ場所を占有できるのです。
　人間の声は人それぞれに違いますが、これも喉や口の構造の個人差で、細かいところで異なる音声の波動が入り交じることで言葉となるので、人それぞれの声になります。つまり、振動する光＝電磁波で構成されている生命体は、様々な振動数を幾通りか持っていて、その合成として一個たり得ているのかも知れないと言う事です。
　ARIONは12人の天使の波動が合わさった時に表れている一個の意識体であって、しかし一方で12人それぞれもまた意識体であると。ならば、その12人がもっと少ない幾人かの天使の合成によって形成されていると言うのも、波動ならではの在りようと言えるでしょう。

　私たち人間の脳活動も、脳波計では幾通りかの振動の異なる脳波が検出されます。様々な意識の総意として一個の意識が表れているかも知れません。

　ところで後にARIONが語るところの天使の特性として、一度人間として生まれ変わると二度と天使として生まれることはできないという話が出てくるのですが、この「波」という話で考えるとその理由が理解できます。
　波動を合成して新たな波動を生み出す場合、元々の波動の振動数よりもっと高い（激しい）振動は作り出せない、と言う限界があります。つまり粗い波を幾ら足し算しても細かい波は作れないのです。その実例がCDです。人間の耳に聞こえる音の振動の上限は毎秒22000回の振動数までと言われています。これをデジタルで再現するためには最低倍の振動数が必要であることが情報理論で判明しています。ですから、CDは毎秒44000回の振動数、つまり44kHzでサンプリングされているのです。
　天使は我々より微細な振動数なのだろうと思います。なぜなら、微細なほどエネルギーは高いし、変化も速いし、より低い振動数を広くカバーできるからです。天使の振動数が高いのに、人間として生まれ変わると人間としての振動数を持ってしまうでしょう。その振動数では天使の振動を再現できないわけです。

　では12人の天使が集まってその中にARIONが現れるのはどう考えれば良いでしょう？
　実は半導体製造技術がその一例になります。近年の半導体の微細化設計は、もうレーザーなどの光を使っても再現できないほどの緻密さになりました。可視光より振動数の高いX線を使う手もあったのですが、生産技術の場では可視光の振動を、位相差を作って合成する事で、より緻密な構造を焼き付けることが出来るように工夫されています。つまり、元々の振動数よりもう少し高い振動数でなければ出来ないことを、位相差を上手く使う事でやってのけたのです。
　ARIONの場合も、12人の天使それぞれの振動を、もしかしたら位相差を作って持ち寄り、自身らよりも緻密な振動の天使を構成しているのではないかと想像できます。ARIONという存在はそれだけかなり緻密な振動を持つ存在であり、逆に天使とひと言で言っても、振動数から見れば細かさ粗さの違いがあるのかも知れません。
　聖書の研究では天使に階級が見いだされていますが、それは事実に当てはめると天使各々の意識の振動数の違いかも知れません。

　そして普段私たちの意識の振動数は粗すぎて、緻密な天使の意識を捕らえきれないのでしょうけれど、体質的に緻密な振動数に対応できる人材が、言わばチャネラーとして天使の存在を明瞭に知覚できるのではないかと思うのです。

■ARIONは何をしに来たのか

　書籍を見る限り、僕の理解では、現代日本人の眠らせてしまった日本人の体質に備わっている鋭敏な知覚感覚を呼び起こすために現れているように思います。日本人と特定しているのは、著書「光よりの光、オリオンの神の座より来たりて伝える」の前書きで、最初に日本の人々に伝えると明確に記されているからです。これは選民意識ではなく、民族的な体質特徴に依るもので、そのことは後にAMA族の話で出てきます。

　では鋭敏な知覚感覚を呼び起こすと何が起きるのか？　簡単に言えば、良心をしっかり持てると言う事でしょう。良心の基準は今のところ人それぞれです。米国等キリスト教を国教としている欧米人は、生活の規範として宗教を必要としていました。我欲を適度に調整して周りの住人と共同して生きてゆく為には、生活規範が必要だったのです。ところが不思議なことに日本人にはそうした明瞭な規範が無くても仲良くやってゆける不思議な民族性があります。だから欧米人は裁判で嘘をつかないことを神に誓いますが、日本人は嘘をついてはいけない場であれば嘘をつかないのが当たり前で、何者かに誓わなければそれを証明出来ないなどという事は無いわけです。　
　ここに、日本人が民族的特性として、誰に言われなくてもある種の規範を守っているということの表れがあります。なぜそのような事になるのか。それは日本人が人それぞれに違った良識ではなく、共通にある示準の範囲に良識を共有していたからでしょう。

　ARIONはその良心の基準、善悪の判断の基準を、宇宙に基準を置いて説明しています。そのことはまた別に改めるとして、つまり日本人は民族的に宇宙からの基準を得る感受性を持っていたと言う事です。そして今の時代にその感受性は殆ど失われているけれど、もう一度呼び起こすためにメッセージを送ってきたのではないかと僕は考えています。この時代に、それが必要だからでしょう。しかしかといって、全ての日本人というわけでもないのでしょう。ARIONはその著書を万人に向けて書いたものではないとその中で明言しています。文章に既視感を覚えるはずと言う事なので、既視感を覚えない人は、日本人の古来の特性をかなり失った状態にあると言う事ではないかと思います。そしてそれは家系や時代の因縁であって当人に良識が云々という問題ではありません。

　宇宙の情報を基準に良心の示準を得る…そんなテレパシーみたいなことが出来るのか？　恐らく日本人は出来ていたのだと思います。現代の私たちにはなかなかそうは思いにくいかも知れませんが、古代のシャーマン（呪術者）は神（のような見えない存在）と交信したというのですし、現代でもチャネラーが存在しています。そのような特化した体質ではなくても、日本人には言わずもがなの日常感覚としての良識が備わっていたのではないでしょうか。少なくとも他の種族よりは。
　実はそれが著書で言う5万年前にARIONの意思を伝える種子をまいたという事に繋がると思うのですが、それはAMA族の話を掘り下げるところで追ってゆきたいと思います。

　なお、ARIONは必ずしも日本人だけに現れているわけではないでしょう。著書でもローマ法王ほか幾つかのコンタクティがあることを書いていますし、コンタクティにあわせて便宜的名前（この場合ARION）を変えていると言います。他の民族には他の民族なりにこの時代に必要な情報を持って顕現しているのではないかと思います。ここでARION名義で書かれた著書は特に日本人向けであっても、ARIONの存在そのものは宇宙的なのですから。

（2009/10/28）

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